Customer profile

東京ガス株式会社
東京中支店 支店長

藤原 和広様

Interview

1.東京ガスの取り組みについて

01.

東京ガスのサステナビリティについて、
取り組みの概要を教えてください。

東京ガスのサステナビリティについて、取り組みの概要を教えてください。

東京ガスグループは、グループ経営理念「人によりそい、社会をささえ、未来をつむぐエネルギーになる」を体現していくため、サステナビリティ上の重要課題(1)を特定し、事業活動を通じて取り組んでいきます。これにより、社会的価値・経済的価値を両立して創出するとともに、持続可能な社会の実現およびSDGsの達成に貢献していきます。

1)サステナビリティ上の重要課題

  1. 脱炭素社会への責任あるトランジション
  2. 地球環境の保全
  3. エネルギーの安定供給
  4. 安全と防災の徹底・安心なまちづくりへの貢献
  5. ウェルビーイングなくらしとコミュニティへの貢献
  6. 多様な人材が活躍できる組織の実現
  7. サプライチェーン全体における人権の尊重

02.

「脱炭素社会への責任あるトランジション」
について、御社が進めている計画について
詳しく教えてください。

「脱炭素社会への責任あるトランジション」について、御社が進めている計画について詳しく教えてください。

弊社のみならず都市ガス業界全体の目指す姿でありますが、以下の3つの取り組みを行っていきます。

① 徹底した天然ガスシフト・天然ガスの高度利用
② ガス自体の脱炭素化
③ CCU/CCSや海外貢献等の取り組み

脱炭素社会の実現に向けて再生可能エネルギーの導入が課題となりますが、現在できることとしてはCO2排出量の多い石炭や石油から天然ガスへの燃料転換、燃料電池等の普及拡大、機器の高効率化等お客さま先での取り組みにより徹底した天然ガスシフト・天然ガスの高度利用を進めます。

03.

ガス自体の脱炭素化は、
具体的にどのような方法があるのでしょうか?

ガス自体の脱炭素化は、具体的にどのような方法があるのでしょうか?

e-メタンや水素利用等で供給側のイノベーションにより、ガス自体の脱炭素化を図ります。e-メタンとは都市ガスの主成分であるメタンを合成的に作成しているもので、燃焼の際にCO2を排出することに変わりはありませんが、その排出されたCO2を回収し水素と合成することで再びメタンを作り出します。よって、地球規模でCO2を排出していないとみなされるものです。また、ガス導管、ガス器具等の既存の都市ガス設備をそのまま利用できるため、新たにインフラ部分において設備投資をしなくてすむ利点があります。

(港区との「脱炭素社会の実現に向けた包括連携協力協定」チラシより引用)

04.

CCUやCCSは聞き慣れない用語ですが、
詳しく教えてください。

CCUやCCSは聞き慣れない用語ですが、詳しく教えてください。

CCUとは大気放出前のCO2を取り出して、回収・再利用する技術で、CCSは排出されるCO2を固定化・貯留することで、大気への放出を回避する技術です。

05.

画期的な技術ですね!
これは既に実現しているのでしょうか?

画期的な技術ですね!これは既に実現しているのでしょうか?

国内で開発が実現すれば、革新的なガス機器やエンジニアリング力を海外展開することで世界的なCO2削減へ貢献することができます。一方でe-メタンや水素利用、CCUやCCSは、実現・普及するまでに時間がかかります。今後も天然ガスの利用を続ける上で、私たちはカーボンニュートラルLNGにも取り組んでいきます。

カーボンニュートラルLNG…天然ガスの採掘から燃焼に至るまでの工程で発生する温室効果ガスを新興国等における環境保全プロジェクトにより創出されたCO2クレジットで相殺するカーボン・オフセットにより、地球規模ではこの天然ガスを使用してもCO2が発生しないとみなされる

2.港区との「脱炭素社会の実現に向けた包括連携協力協定」について

01.

昨年10月に締結した
港区との包括連携協力協定とは、
どのような協定でしょうか?

昨年10月に締結した港区との包括連携協力協定とは、どのような協定でしょうか?

2050年までにゼロカーボンシティを目指す港区さんのパートナーとして、弊社と様々な分野で連携・協力をしてカーボンニュートラルを達成していくと共に、SDGsの観点からも防災力の向上や快適で暮らしやすいまちづくりなど、地域社会の発展に向けた一層の協力を推進していくものです。具体的には以下の4つの項目で協力協定を締結しています。

(1)脱炭素社会の実現に向けたまちづくりの推進に関する事項
(2)SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けた取組の推進に関する事項
(3)港区及び東京ガスの両者が保有する知見及びネットワークの活用に関する事項
(4)その他区民福祉の向上及び地域社会の発展に関し、別途両者が合意した事項

3.バナナペーパーについて

01.

今回作成した包括連携協力協定のチラシは、
どのような方々に何をお伝えする
目的だったのでしょうか?

今回作成した包括連携協力協定のチラシは、どのような方々に何をお伝えする目的だったのでしょうか?

港区には、区民に対しての広報アプローチが弱いという課題認識がありました。そこで東京ガスと小売りの契約を締結してくださる港区内のお客さまに対して、港区が実施している地球温暖化対策のための助成制度や、これからの都市ガスの主役となる「e-メタン」の周知告知を行うために実施しました。この協定の(3)港区及び東京ガスが保有する知見及びネットワークの活用に関する事項に該当するものです。

02.

港区内のお客様に、
どのように配布したのですか?

港区内のお客様に、どのように配布したのですか?

弊社からお届けするガスメーターの検針票と一緒に、このチラシを配布しました。港区内のご家庭のポストに投函しています。

03.

このチラシに、バナナペーパーを採用した
理由(決め手)を教えてください。

このチラシに、バナナペーパーを採用した理由(決め手)を教えてください。

今回、このチラシを作成するにあたって弊社としてポイントとした点は以下の2点です。

①港区内の事業者であること
②環境対策がなされている紙(再生紙等)を利用すること

この条件に合致する印刷会社が数社ありましたが、カワセ印刷様には環境問題と貧困問題を同時に解決するバナナペーパーを提供しているという大きな特徴がありました。アフリカ・ザンビア共和国の貧困問題、経済問題等にバナナペーパーを通じて取り組むカワセ印刷様の経営理念、行動等に共感し、弊社としても是非ともこのチラシを通じて貢献できるのなら、という思いを抱くようになりました。今回の港区様との包括連携協力協定の趣旨に鑑みるとまさに合致するものであったため、カワセ印刷様、そしてチラシの素材はバナナペーパーに決めさせていただきました。

04.

このチラシを配布後、
バナナペーパーについて社内外から
どんな反応がありましたか?

このチラシを配布後、バナナペーパーについて社内外からどんな反応がありましたか?

このインタビューを受けて、港区との包括連携協力協定の活動の一環として、弊社内の「ガスニュース」に掲載する予定です。社内に向けた良いPRになると思いますし、社員の反応が今から楽しみです。

05.

今後もバナナペーパーを使用する場面が
増えそうですか?

今後もバナナペーパーを使用する場面が増えそうですか?

現時点ではどうしてもコスト面の課題があり、様々な印刷物をバナナペーパーに切り替えていくのは難しい状況です。しかし今回のチラシを通してバナナペーパーを知り、環境問題や貧困問題について考えるきっかけになった方がいらっしゃると思います。またこれを機に、環境のため、未来のためにはある程度の投資は必要と捉え、弊社に限らずバナナペーパーの採用が増えればと思います。弊社にとっても、環境問題への取り組み評価につながるものと確信しております。

Interviewer Message

今後の展開が楽しみですね!
2050年脱炭素社会の実現や、地域社会の発展に向けた御社の取組みにも期待しております。
本日はありがとうございました!

今後の展開が楽しみですね!
2050年脱炭素社会の実現や、地域社会の発展に向けた御社の取組みにも期待しております。
本日はありがとうございました!

写真左:藤原支店長、右:川瀬健二

Interviewer Profile

川瀬 健二|Kenji Kawase

創業120年の家業を継いだ弊社4代目社長を経て、現在は取締役会長。
サステナビリティに知見が深く、SDGsセミナーの講師や統合報告書の制作プロデューサーとして活動中。
専門領域である中小企業のサステナブル経営やコミュニケーション戦略は、机上論だけでなく現場で12年間実践してきた経験がベースになっている。
オルタナ総研フェロー / ワンプラネット・ペーパー®︎協議会副会長 / みなと環境に優しい事業者会議理事